乳腺炎と乳房の張り、しこりの対処法
乳腺炎と乳房の張りには穏やかなケアが必要です。冷やしてつらさを和らげ、赤ちゃんの欲しがるサインに合わせて授乳し、強いマッサージや乳房を空にするための追加の搾乳は避けましょう。
直接授乳や搾乳をしている保護者にとって、今必要なのは、痛みを和らげる方法、無理なく授乳を続ける方法、受診するタイミングを分けて考えることです。
要点
- 痛む乳房を深く強くマッサージしないでください。
- 無理のない範囲で授乳し、余分な搾乳は避けましょう。
- 症状が途中で悪化したり、自宅でケアしても12〜24時間以内に改善しなかったりする場合は、受診してください。
今、どのような状態ですか?
| 状況 | よく見られる状態 |
|---|---|
| 産後早期の張り | 産後早期の乳房の張りは、通常は出産後3〜5日ごろに両方の乳房が張って硬くなり、痛む形で現れますが、始まる時期には個人差があります。 |
| 痛みのある硬い部分 | いわゆる乳管の詰まりでは、触れると痛い硬い部分を感じることがあります。押し出せる固形の栓があるというより、炎症やむくみで母乳の通り道が狭くなった状態です。 |
| 乳腺炎の症状 | 乳腺炎は片方の乳房の熱感、腫れ、痛みで急に始まることが多く、発熱、悪寒、体の痛みを伴うこともあります。 |
肌の色が濃い場合は赤みが分かりにくいことがあるため、熱感、腫れ、痛みも確認しましょう。
細菌感染がなくても炎症で発熱することがあり、抗菌薬が必要かどうかは医療者が判断します。
無理なく授乳を続けるには
母乳を余分に出すと分泌が増えて腫れが悪化することがあるため、しこりをなくそうと搾乳の回数を増やさないでください。
赤ちゃんの欲しがるサインに合わせて、できるだけ無理なく授乳を続け、痛む乳房を空にしようとしないでください。
乳房が張りすぎて赤ちゃんがくわえにくい場合は、手で母乳を少し搾って柔らかくしてから再び試し、授乳の専門家に吸着も確認してもらいましょう。
授乳がつらすぎる場合や赤ちゃんが痛む側を嫌がる場合は、繰り返し空にせず、赤ちゃんに必要な分だけ手で搾りましょう。
腫れが強く、優しく手で搾っても母乳が出ない場合は、その側で無理に繰り返さないでください。反対側で授乳し、腫れが引くまでの授乳方法を早めに相談しましょう。
搾乳のみで育てている場合や赤ちゃんと離れている場合は、普段の授乳間隔と飲む量に合わせて搾乳しましょう。強く長く搾るよりも、フランジの大きさと吸引圧が苦痛のない範囲か確認してください。
冷やすケアと痛みへの対処
痛むときは、冷水でぬらした布を痛い乳房に1時間ごとに10分間当てましょう。
休めるときに休み、乳房を強く圧迫せず、快適に支えるブラジャーを着けましょう。
温めると一時的に楽になることはありますが、強い熱を長く当てると炎症が悪化することがあります。つらさを和らげるには冷やすことを優先しましょう。
授乳中はparacetamolで痛みを和らげることができます。ibuprofenも使える場合がありますが、使用前に薬剤師や医療者に確認し、製品の説明に従って、持病や服用中の薬も伝えましょう。
痛む部分を刺激しすぎないために
しこりをほぐそうと振動マッサージ器や電動歯ブラシを使ったり、強くもんだりしないでください。組織を傷つけ、炎症を強めることがあります。
乳腺炎の治療として乳房を塩水やEpsom saltに浸したり、オイルを塗ったりしないでください。
乳腺炎になったからといって急に授乳をやめないでください。卒乳や断乳を希望する場合は、徐々に減らす方法を相談しましょう。
自宅のケアだけで待たないとき
症状が途中で悪化したり、自宅でケアしても12〜24時間以内に改善しなかったりする場合は、受診してください。
体調が次第に悪くなる場合や、発熱または動悸が24時間を超えて続く場合は、自宅のケアだけで様子を見ず受診してください。
乳房が痛み、熱を持つ、または赤くなり、しこりや腫れがある場合は、速やかに受診を相談してください。特にしこりが大きくなる場合や体調が悪い場合は急ぎましょう。
膿瘍は膿がたまった状態です。医療者が超音波検査を行うことがあり、通常はマッサージではなく膿を出す治療が必要です。
抗菌薬を始めて48時間たっても改善し始めない場合は、処方した医療者に再評価を依頼してください。
体調が悪く、意識が混乱する、ろれつが回らない、呼吸が非常に速い、皮膚が青い・青白い・まだらになる場合は、直ちに地域の救急番号へ連絡してください。
授乳中ではないのに乳腺炎のような症状が出た場合は、乳管の詰まりと思い込まず受診してください。
授乳中に気になること
痛む側の母乳も飲ませてよいですか?
細菌性乳腺炎そのものを理由に母乳を捨てる必要はありません。痛む側の母乳も、通常は赤ちゃんに飲ませてかまいません。
薬が処方された場合は、その薬が授乳中に使えるか確認しましょう。
乳頭に白い点ができたらどうしますか?
乳頭の白い水疱をつぶしたり、削ったり、針で刺したりしないでください。乳頭を傷つけ、通り道がさらに狭くなることがあるため、痛みが続く場合は医療者に相談しましょう。
同じ場所が繰り返し痛むのは?
症状を繰り返す場合は、授乳方法と乳房の状態を診てもらいましょう。同じ場所で炎症を繰り返す場合は、原因を調べる画像検査が必要になることがあります。