赤ちゃんの中耳炎の症状と予防・治療

耳を触るだけでは、中耳炎とは判断できません。 耳を触り、痛みや発熱もある場合は、医療者に相談してください。
要点
- 生後12か月未満の赤ちゃんに中耳炎が疑われる場合は、診察を受けてください。 生後12か月未満の赤ちゃんが両耳を痛がる場合は、直ちに医療機関に連絡し、緊急の相談をしてください。
- 生後3か月未満で体温が38°C(100.4°F)以上の場合は、直ちに医療機関に連絡してください。
- 中耳炎の確定には、医療者による鼓膜の確認が必要です。
1歳未満の赤ちゃんを世話する保護者が、耳を触る様子を見守ってよいか、診察が必要かを考えるための内容です。治療の表には、年齢が上の子どもに使われる目安も示しています。
耳を触るときに一緒に見る変化
生後4〜12か月では、発熱や泣く様子、痛みを伴わずに耳を触るのは、耳を見つけて遊ぶ普通の行動であることがよくあります。
耳の痛み、いつもより強いぐずり、睡眠の乱れ、発熱、哺乳量の減少、耳だれ、聞こえ方の変化がみられることがあります。 吸ったり飲み込んだりすると耳が痛み、授乳中に痛みが目立つことがあります。

緊急の受診が必要なサインがなくても、耳を触り、痛そうにする、泣く、眠りから目を覚ますようになる、発熱やかぜ症状がある場合は、24時間以内に医療機関に連絡してください。
耳の診察が必要な理由
中耳炎は鼓膜の奥の空間に起こる感染症で、かぜの後に起こることがあり、細菌やウイルスが関わります。 子どもの耳管は中耳とのどの奥をつなぐ通路で、大人より小さく水平に近いため、液体が排出されにくくなっています。
歯の生え始め、のどの痛み、外耳道(耳の穴から鼓膜までの通路)の刺激でも耳が痛くなることがあります。 中耳炎の確定には、医療者による鼓膜の確認が必要です。

相談するときと、すぐに受診するとき
生後3か月未満で体温が38°C(100.4°F)以上の場合は、直ちに医療機関に連絡してください。 耳だれが出る場合や体温が39°C(102.2°F)以上の場合は、直ちに医療機関に連絡してください。
すぐに対応するサイン
生後12か月未満の赤ちゃんが両耳を痛がる場合は、直ちに医療機関に連絡し、緊急の相談をしてください。 中耳炎の症状に加えて聞こえ方が変わったり、新たに聞こえにくくなったりした場合は、直ちに医療機関に連絡し、緊急の相談をしてください。 耳の後ろに痛み、赤み、腫れがある場合、特に耳が外側に押し出されている場合は、至急受診してください。 赤ちゃんが呼吸に苦しむ、唇が青色や灰色になる、起こしてもなかなか目を覚まさない場合は、地域の救急番号に連絡してください。
症状が悪化する場合や、2〜3日を超えて続く場合は、受診してください。
経過観察と抗菌薬をどう選びますか?
軽い中耳炎では、医療者が2〜3日間経過を観察してから、抗菌薬が必要か判断することがあります。
表は米国の経過観察の目安です。経過観察を選ぶか、いつ再診するかは、診察した医療者と決めてください。
| 年齢 | 診察後に用いる米国の経過観察の目安 |
|---|---|
| 生後6〜23か月 | この米国の診療基準では、生後6〜23か月で片耳だけに中耳炎があり、耳の痛みが軽く、痛みが始まって48時間未満、体温が39°C(102.2°F)未満の場合に経過観察の対象となることがあります。 |
| 2歳以上 | この米国の診療基準では、2歳以上は片耳でも両耳でも、耳の痛みが軽く、痛みが始まって48時間未満、体温が39°C(102.2°F)未満なら経過観察の対象となることがあります。 |
この基準で経過観察を選ぶには確実に再診できることが必要で、耳だれ、鼓膜の穴、鼓膜チューブ、人工内耳、免疫や耳の構造の問題、最近の中耳炎や耐性菌による中耳炎がある場合は、別の治療計画が必要です。
中耳炎が重い場合や経過観察中に改善しない場合は、速やかな抗菌薬治療が必要になることがあります。 経過観察を勧められ、2〜3日たっても改善しない、または耳の痛みが続く場合は、再診や抗菌薬が必要か医療者に相談してください。
抗菌薬が処方された場合は、よくなったように見えても、処方された期間と指示を守って飲ませてください。 抗菌薬には下痢や発疹などの副作用があるため、必要な場合に使用します。
受診の最後に、痛みの和らげ方、再診の時期、悪化したときの連絡先を確認してください。
痛みを和らげ、耳の中には物を入れない
抗菌薬を使う場合も使わない場合も痛み止めは役立つため、月齢と体格に合う薬と量を医療者に確認してください。 米国の目安では、生後6か月未満の赤ちゃんにイブプロフェンを使うのは、医師が指示した場合だけです。 脱水状態や水ぼうそうの場合はイブプロフェンを使わず、ぜんそくがある場合は医師が勧めたときだけ使ってください。
赤ちゃんや子どもにアスピリンを飲ませないでください。
赤ちゃんに発熱があり、母乳を飲んでいる場合は、いつもどおり授乳を続けてください。 哺乳がうまくいかず心配な場合や、おむつの濡れ方がいつもより少ない場合は、直ちに医療機関に連絡し、緊急の相談をしてください。

綿棒、指、その他の物を外耳道に入れないでください。 耳だれや鼓膜に穴がある場合、鼓膜チューブ(中耳に空気を通すために鼓膜に入れる小さな管)が入っている場合は、自己判断で点耳薬を使わないでください。 鼻づまりを抑える薬や抗ヒスタミン薬が中耳炎に役立つという根拠はありません。
毎日の生活でリスクを下げる工夫
月齢に合うインフルエンザや肺炎球菌のワクチンを含め、推奨される予防接種を予定どおり受けてください。 手を清潔に保ち、受動喫煙を避けることは、中耳炎のリスクを下げるのに役立ちます。

赤ちゃんを寝かせるときに、哺乳瓶をくわえたままにしないでください。 母乳育児には、中耳炎をある程度予防する働きがあります。 中耳炎を必ず予防できるわけではありません。
痛みが落ち着いた後の確認
感染が治まった後も鼓膜の奥に液体が残り、数週間、一時的に聞こえにくくなることがあります。 聞こえ方やことばの発達が気になる場合、中耳炎を繰り返す場合は、継続して診察を受けてください。

家庭でよくある疑問
熱がなくても中耳炎のことはありますか?
熱がなくても中耳炎になることがあります。
耳だれが出た後に楽そうです。もう治りましたか?
耳だれが出ると痛みが和らぐことがありますが、回復したとは判断できないため、診察が必要です。
きょうだいに中耳炎がうつりますか?
中耳炎そのものはうつりませんが、そのきっかけとなるかぜのウイルスは広がることがあります。